投稿日 : 2023年6月21日 / 最終更新 : 2023年10月10日
順方向電圧がゼロで一方向のみに電流を流す特性を持つダイオードのことを理想的なダイオードといいます。
この理想的なダイオード特性を、IC(集積回路)により再現したものを理想ダイオードICと呼びます。理想的なダイオードでは順方向時の電圧降下やリーク電流が無いことから、ディスクリートのダイオードで発生していた順方向時の電圧降下や損失、リーク電流が存在しません。
実際の理想ダイオードICではIC内部FETのオン抵抗やリーク電流が存在することにより、完全に順方向電圧やリーク電流をゼロにすることはできませんが、ダイオードと比較して順方向時の電圧降下や電力損失を大幅に削減することができます。
理想ダイオードICのメリット/デメリット
理想ダイオードICには、ディスクリートのダイオードと比べ様々なメリットがあります。
メリット
- VFが非常に小さい & 低リーク電流により低損失
(XC8110/XC8111 : VF=20mV, ディスクリート SBD : VF=0.3~0.4V) - VFが小さいことで出力電圧変動が小さく、システムの安定動作に貢献
- 各種保護機能内蔵
- 小型PKG
デメリット
- 最大出力電流や出力電圧の制限有り
- ディスクリートのダイオードと比べて、製品数少ない/互換性が少ない